1983年。モーターマガジン社の「Goggle」創刊のお知らせ。
ゴーグル誌はこの後大判のファッション誌っぽくなってしまいましたが、当時のバイク雑誌にはなかった「ライトな趣味の領域」に特化した雑誌でした。そう今のバイク雑誌のほとんどはこのジャンルなのである。
ガチガチの老舗総合情報誌2誌に対し「別冊モーターサイクリスト」が旧車と売買欄で盛り上がり、ジャーナリスティックに「オートバイ三無い運動」がどうのとかやっていた毎日新聞社「ザ・バイク」誌はマニアックな趣味の人々を特集したり「ブルータス」誌が1982年7/1「バイクに昂る」という特集をしたり「サイクルワールド」が創刊されたりと、すでに前触れ的にその流れがあった風潮の中で創刊された。
ドカのエリートとポルシェカレラ。
ゴーグルの提案とは大人の「趣味としてのバイク」とのこと。
アウトドア趣味やカーライフを優雅に楽しむ横にクラシックバイク。
バイクは沢山ある趣味の一つ、という人がターゲットだそうです。
わかるけどなんかしゃらくせいやい!!
ポルシェなんぞ欲しくないけど、ドカのエリートにロシアンブルーと一緒の生活ならちょっとそそられます。
さてこのパンフレットでは広告主に対し1983年のデータで250ccクラス購入者の25%が30歳代というのを根拠ととして「数字による説得」を行っています。
今ならえーそれがどうしたと思ってしまいますが、この時代はまだバイクに乗るのも興味を持つのも18歳以下と思われていたようです。18歳過ぎたら、即4輪免許取得してクルマを買う。
※1983年Mr.バイク、オートバイ誌の読者層の90%が20代以下だったのに対し現在はほとんどが40から50歳代以上(Mr.バイク)に大幅に変化しています。
そっかあ、1983年のこの30歳がそのまま上へスライドしていったのか。
昔バイクはヨーロッパの大人の趣味、という感じがうらやましかったけど、今の日本もやっと希望通りになった感じです。
これはこれでいいと思うのですが。
若い頃4輪の免許を持っていなかった僕も周りから「バイクなんて危ない。早く4輪の免許をとれ」とよーく言われたものです。
都会に住んでりゃ、電車バスで充分。どうせクルマなんか持てないんだからと思ってました。まさかいまこんな歳になって4輪免許が役に立つなんて思ったこともなかったです。
さてイタリアではドゥカティ社が販売権を持ってトライアンフ4輪を扱っていた時代があります。
ドゥカティ顧客向けに「新製品トライアンフTR4」はいかがですか?というDM。時期的には1960年頃でしょうか。
はたしてミラノのドクター/プロフェッサージョバンニ・ペレグリーニ氏はトライアンフを買ったでしょうか。
なんとなく、こういうのは普通古ければ古いほどエラいのです。
カタログハンターの持ってる最古のカタログはこれ。
1925年フランスのAIGLON175ccと250cc。裏表の高級チラシってやつでA4よりちょっとだけ幅広。
90年近く前のカタログです。3年前亡くなった大正9年生まれの父親が5歳の時か。この頃はアラビアのロレンスもロンメルもサンテグジュペリもヒットラーも生きていた時代。
時代的にヘミングウェイがちょうどパリにいた頃か、そう考えると感慨深い。
ただここまで古いと僕のカタログ趣味の対象からちょっと外れる。