コレクターの弱点は「捨てられないこと」
年末、落書きだらけのこのバイアルスのカタログを捨てようとクリアファイルから外した。
誰がこんな汚れたカタログを売ろうと考えたのか、とも思ったのですが、とにかくその前にいったいどういう経路で自分のところまで来たかも分からない。じっくり観察した事はなかったのだが、あらためて見るとこりゃなかなか深いじゃないか。
落書きを見ると当時の状況をちょっとだけかいま見る事ができる。
カタログを見ながらこのバイアルスオーナーはいったい何がしたかったか。
マジックでタンクの大部分を黒く塗りつぶしてある。
トライアル車のアップマフラーはロード用の太いダウンマフラーにするつもりだったのか、塗装部分は黒。それ以外黄色のマジックによる振り分けバッグの位置まで指定。
落書きの中に物語があった。
①キャブPW24
②JX ヘッド・ピストン
③JX マフラー
で14ps
少々のチューニングで
16~17psにして
最高速は120km位
0-400 17sec位
にする。
1500 Fire reod (※おそらくroadの間違い、とも思ったが)
1500 Clear
サンドペーパー
コンパウンド
4000 円
火 フロントフェンダー・サイドカバー
水 リアフェンダー
木 タンク フロントフェンダー取り付け
金 タンク取り付け リアフェンダー取り付け ヘッドライト
土 ステッカー取り付け
工程を綿密に立てるところなど、かなり几帳面な人みたいだ。
というかそれをきっちり、メモするところなどが。
トライアル車を買って競技専用に使う人はバイクを何台も持ってるお金持ちの人でした。普通もっと汎用的に、1台をツーリング、通学通勤、ちょい乗り、買い物…といろいろ使い回されます。
勝手な想像ですが、何かの縁でバイクを売るって人がいてそれがたまたまTLだった。安いバイクを探していたカタログの持ち主は買うつもりで、改造計画をカタログに書き込んだ。
思いっきりロードモデルに改造したらどうだろう、じゃなくてロード化が定番の改造方法だったのかも知れない。
この落書きは私が書きました、なんて人が現れたら面白いのですが。