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Channel: バイクのカタログハンター日記
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アグスタ350s。アグスタとターゲットデザイン

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六本木通りから麻布十番に向かう右折ラインに内側から真っ赤なMVアグスタ350Sが入ってきた。
セパハン、低いシルエットに当時まだ珍しいフルカウル、重低音。
その時僕が乗ってたのはカワサキのZ400FX。アグスタの赤と銀の後ろ姿を見ながら走り、奴がそのままブルックランズに向かうだろうの直感はみごと当たった。
MVオーナーは店の前にセンタースタンドを立てていた。
思えばその瞬間からイタリア車好きになったのだと思う。
それまでは「外車」は殆ど視界に入っていなかったから、交差点で初めて見たアグスタはなおさら衝撃だった。
350sにフルカウルモデルがあるなんて知らなかったし、ケニーズで見るMHRを当たり前のように感じるようになったのも、福田モータースで木箱入りのCB1100Rを見るのだってもっと後だった。

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何の話でしたっけ。そうそうカウルのついたMV350sについてです。
その後やっと手に入れたMV350sは格好こそレーサーレプリカそのものでしたが、走りはいまいち。友人の母親からは「まあ、女性的なバイクね」なんぞと言われていました。振動と音の男らしさは「女性の外見なのに男性の声帯を持ってる人」みたいな印象です。
スタートには多少手続きが必要で面倒ですし、右チェンジの1アップ4ダウン、振動も激しくバックミラーを落っことすほど。右折時はエンストが怖くて、空ぶかししっぱなし。
それでも350sは好きで結局2台乗り継ぎました。
今ならセル付きのナナハンに較べてももっと気楽に乗れそうな気がします。体格的にも似合う気がするし、手放してから随分経つ今になっても、もう一回持てたらいいなと思っているくらいですから。

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1973年12月17日のミラノショーでこの350sは発表された。
プロトタイプで後の市販車とは細部が違う。
エキパイは丸く、シートレールはメッキで真っ直ぐ。サイドカバーは小さくシートカウルもやや小さかった。市販車の方が全体的にバランスはいい。
500cc(472cc)やツインカムも計画されたとの噂がある。450ccのキットは見たことがあるし500ccのプロトタイプは雑誌にも何度か載った。
ツインカムに関しては2気筒説と4気筒説がある。350sのこの雰囲気のまんまのジウジアローデザインアグスタ4気筒プロトタイプってのが存在するので、そこらへんと情報が交錯したのかもしれない。

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ジウジアローだけじゃなく、ハンスムート/ターゲット一派もアグスタのデザインを手がけた。
作品はカタナのデザイナーとされるHans Georg Kasten( ハンスムートHans MuthもHans Georg Kastenもともにハンスじゃないか。だからどちらにしても「ハンス」作品なのだけは確か)の手によるもの。

※下の写真では左の人物がKasten。

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このプロトタイプは1979年「モトラッド」MOTORRAD 社が公募したデザインということになっている。詳細は不明。
そのターゲットがデザインしたアグスタは半月型のフロントフェンダーなどはもろカタナそのものです。これを原点としてカタナデザインが生まれた。
フレームはノーマル、キャブは最終型アメリカ用の26パイデロルト、Fフォークとブレーキは750S、リヤサスは分からない。ところでこの集合マフラーなんですが、クランクケース周辺がのっぺりして見えて僕は駄目です。

さてこのバイクを30何年ぶりに最新のMOTORRAD CLASSIC誌(2015.1月2月合併号)がレポートしていた。

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※MOTORRAD誌はカタナのデザイナーはHans Georg Kastenとしている。
※カタナのイメージからプロトタイプへのカタチの変遷に興味がある人ははここを見てください。

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