殆ど人に知られず、存在感が薄いバイクのカタログをたくさん持っています。
というより実際は僕の持ってるカタログの大半はそんなのばっかり、ほとんどバイク好きが興味を持たない類いのものです。
CB250TのLAカスタム。「カスタム」はホンダの当時のアメリカンタイプの呼称。LAカスタムはLCとも略される。
タンクが奇麗な青と銀で飾られた一連の豪華版シリーズだが、われわれは「鯖バイク」と呼んでいた。ホンダの鯖シリーズは4気筒のCB650LCを筆頭にツインの400LCとこの250LCの3種類。実際はもっとあったかもしれない。
650LC4気筒はいま思えばそれなりに豪華で魅力的な「固まり」だった。なのにツインの最も廉価版経済バイクに同じようなタンクグラフィックを与える。
技術者集団のホンダは時々こういうことをする。
ルーツは1981年に登場した250T。経済性と乗りやすさを強調したバイクで「価格は30万円を切る、低燃費、シート高は730mm」というのが売りだった。
僕がいつも資料として使っているオートバイ誌付録のデータブックでは「空冷4ストOHC2バルブ並列4気筒」と堂々書いてある。不人気バイクだったんでこの誤植に気づく人はおそらく殆どいない。250TLAは30万を超えた。このあとマスターSDではベルトドライブ化する。
その後233ccのシングルキャブOHCエンジンはレブルとかナイトホーク250にのせられる。