V4エンジン、シャフトドライブのセイバーは印象が薄かった。
カタログ表紙に大きくVF750。「セイバー」の文字は小さい。
マグナを同じカタログに同居させるという広告手法だ。セイバーのカタログにはもう1種類だけ四角い豪華版があるらしいが持ってない。
しかしそれもやはりセイバー/マグナの同居版。
ホンダ様。それでよかったんですかい、と訊きたくなります。
1982年はVの季節。
2気筒NVやVT250、4気筒のＶF400、750、1000。アメリカンが似合わないマルチの水冷マグナまで。ホンダはそれまで溜め込んだV型エンジン開発の成果を一気に世に出す。
NR500も含め、いまから思うと1978年のGL400/500のV型もありゃその後のV攻勢の始まりを告げる「フセン」だったんだなぁ。
GLツインはそれまでのGL1000の4発水平対抗をVツインにしただけだと思っていましたもん。
当時V4ナナハンのメインはあくまでVF750F。
同じカタログでも扱いが違う。
そうだ。あん時はスペック上の性能優先時代だったっけなあ。たとえアメリカンと言えども何馬力で車重が幾つで、なんて数字中心の時代だった。
いま思うとさすがホンダ、ちゃんと時代を見越してNVなどの2気筒V型という感性に訴える仕様の2気筒スローライフ型エンジンもすでに開発してたんだと気がついた。
乗ったことこそないけど僕はこの頃のVF750F。かなり好きです。
VF400Fは勘弁してくれってデザインですが、750はいいですねえ。フレームマウントのチビカウルがいい。もちろん免許の対象外でした。
当時通っていた桶川のホンダ教習所では優等生CB750Fを使ってた。教習はジムカーナが中心なので疲れかたも半端ではない。身体くたくたのところに教官が言った。
「VF750F、乗ってみたい人いる？新車なんで倒さない自信のある人っ!! 」
女性が2人手を挙げた。その2人とも見事にコケた。
やはり女子は強い!!