ドカのカタログを整理していました
オールドドカ、F1などの明朝の象さんロゴドカもカタログはある程度はあるのですが、数からいくと2000年以降モデルが多い。
パニガーレもムルティストラーダもましてやディアブロも興味が薄いものですからこれらを見て楽しむことはなかった。
ですがですがですよ、あらためてみてるとカタログの造り、これが非常に良いのです。
写真も加工もグラフィックも、思いきった気合いの入った処理。
最近はイタリアモノになんとなく食傷気味の僕ですが、このカタログを見る限りこの国のバイクとバイク関連産業にはまだまだ力がみなぎっているのを感じます。※ここでとりあげてるカタログはどれもそんなに新しくないです。
マイケルムーアってデブ監督が作ったドキュメント映画「世界侵略のススメ」ではボローニャのDUCATIの工場がとりあげられている。
こりゃあ、なんちゅう美しい理想的な労働環境なのだ。
好き嫌いは別としてドカの3次元マスプロダクツ商品そのものの香りがここから生み出されているわけだ。
おっとドカ様を「マスプロダクツ」と言っちゃあまずいか。
「苦い米」「自転車泥棒」の、フェリーニやパゾリーニが描いた「道」や「××」(アッカトーレ)の貧しいイタリアはここには微塵もない。
この国は100年に一人という天才映画監督を10人以上根こそぎ収穫してしまったから、もう心をうつカンツォーネも映画音楽も花咲かなくなってしまった。
芸術的な映画はまったく過去の話。
いまやイタリア映画は「何たらかんたらアルデンテ」とか「幸せの何たらかんたら」とか陳腐なタイトルのコメディが全盛。
しかしイタリアにはとびっきり美味いコーヒーがある。
僕は「お前にこの味が分かるかよ」という挑戦的な眼をしたローマのバール兄ちゃんが出したドロッとした半液状みたいなエスプレッソが忘れられない。
その後名人が淹れたジャパニーズコーヒーのもの凄く美味いのも何回か味わったが、あれを越えるものはなかったとキッパリ。
昔、オーバーブッキングのせいで乗り込めた日航ビジネスクラスで品のいいおばあさま集団と一緒になった。
私ゃ一人旅で何週間も日本語を話していなかったせいか、その時はおばあさん達の話し相手を紳士的に勤め上げたものです。
その時隣の席の感じのいい老婦人が言った、
「楽しかったけど、イタリアはコーヒーが不味くて……」
「はあ?」
ロースト豆がどうも口に合わなかったらしい。
いや、そっかー。そういうことも当然あるのだろう。
でも、でもですミラノのそこら中のバールが中国人経営になっても僕はまだイタリアを捨てきらないのだ。