RX-350なのか350-RXなのかって気にするのは僕だけかもしれない。
ハイフン無しのワンワードでグーグル検索すると結果も違う。
「レクサスRX350」が一緒に表示されるか、350RXの日産「ステージア」が表示されるかくらい結果が違います。
カタログで判断しようとすると、これ両方の表記がある。
「RX」だけが機種名であって、おそらく「350」は後付けなんでしょう。
この頃からヤマハのラインナップにスクランブラータイプが無くなった。
1968年の本格派「DT-1」が出て、中途半端ラフローダーモデルが淘汰されたからなのか。
ホンダのCLシリーズやカワサキのA1、A7、W1の「SSシリーズ」のように片側に束めた2本マフラーは格好よかった。
対するヤマハのR3スクランブラーは左右に先細りマフラーを振り分け、なんというかイマイチ格好悪かった。
この当時新車が発表されるたびに「最高速はどのくらいなんだ」と期待する僕はRXは「170km以上」と聞いた。
R3は173km/h、具体的に速くなったイメージ薄いじゃねーか。
A7は177km/hなんですぜ。とまあ子供だったからそう感じたのでした。
馬力も同じ36。
数字ですよ数字。
最高速の数字とゼロヨン秒数のみが速いってことの証明だったのです。
もちろんRXがロードレーサーTR直系の新機構満載スーパースポーツだなんて、メカ的なことはぜーんぜん知らなかったわけで。
学生の頃、梶原漫画のキックボクサー「ガルーダ」そっくりで、どう見ても日本語を話すとは思えない風采のタカギが僕に言った。真面目な顔で。
「怪獣の名前を何十頭も言えるガキ共がテレビでもてはやされているけど。俺はちっともすごいとは思わない。子供ってものは本来物事を数多く覚えるのは得意なんだ。
俺だって子供の頃、零戦の52型が何機製造されたとか、数字をきっちり覚えてたんだぜ。名前を覚えるなんて普通の子供だったら普通に簡単なことなんだ」
なるほど。そりゃあそうだ。
僕は同意した。そして……。
「そういやあ、俺だって子供の頃クワガタの名前26種類くらい言えたな。
ツヤハダクワガタとかルリクワガタとか……」
タカギの目が光った。そんな気がした。
数日後タカギは零戦博士だった自分のことを棚に上げ、仲間に言いふらした。
「××(僕のことです)は子供のときからクワガタの種類をたくさん知ってるヘンタイ的な奴だったんだ」と。
ずいぶん逸れましたが、RXの話は次回も続きます。